医師・看護師の採用を成功させる3つのポイント

医師、看護師のみならず、コメディカルと言われる医療専門職の人材確保も多くの病院で課題となっている。日本全体が人手不足の状況下で事務職員の採用も簡単ではない。こうした採用難の中で、医療機関の人材採用や経営・人事を支援する専門会社への取材を通して浮かび上がってきた採用を成功させるためのポイントとして次の3つを上げたい。

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 医師の今後の需給について、厚生労働省は「2022年に需要と供給が均衡し、マクロ的には必要な医師数は供給される」としているものの、「短期的・中期的に、あるいは地域や診療科と言ったミクロの領域での需要が自然に満たされることを意味しない」とし、医師の地域や科目偏在が進む可能性を指摘している。一方、病院で最も人数が多い看護師は、厚労省によると需要数が供給数を上回る状況となっており、看護師不足の慢性化が予測されている。

 医師、看護師のみならず、コメディカルと言われる医療専門職の人材確保も多くの病院で課題となっている。日本全体が人手不足の状況下で事務職員の採用も簡単ではない。こうした採用難の中で、医療機関の人材採用や経営・人事を支援する専門会社への取材を通して浮かび上がってきた採用を成功させるためのポイントとして次の3つを上げたい。
 まず1つ目は、入職前後のギャップの解消だ。最近の医師の求人動向では、急性期病院だけでなく、介護施設や福祉施設の求人も増え、医師に対するニーズは幅が広がっており、在宅医療や地域医療、健康経営で注目されている産業医などで活躍するモデルケースが出てきているという。看護師についても同様で以前に比べ訪問看護や有料老人ホームなどからの求人割合が増加傾向にあるが、採用のミスマッチや離職率の高い状況を課題とする病院が多い。

 さまざまな医療ニーズが広がり、医師や看護師の働き方に対する希望も多様化する傾向にある中で、病院の方針や職場の実態を十分に理解してもらうための工夫が必要になる。院長や看護部長などのトップが直接語りかけることが欠かせず、科学的なサーベイなどを活用して、活躍できる人材の特性を把握しておくこともミスマッチを防ぐには有効だ。
 2つ目のポイントは、採用業務を担う専門スタッフの確保だ。採用に成功している病院の多くは、採用専任者を置いて人材紹介会社とも上手く付き合っており、コンサルタントにスクリーニングなどの判断基準を明確に伝えることによって、採用スピードや業務効率を上げている。そうした専門スタッフの確保が難しい場合は、RPO(採用代行)サービスを活用するという方法もある。

 3つ目のポイントは、採用時のアピールにもなる「働き方改革」への取り組みだ。夜勤や救急対応などがある医療現場のハードワークはよく知られているが、今や医療施設に従事する医師の約2割を女性が占めるようになった。厚労省は医療機関の労働時間の適正把握や見直しを進めていく方針を打ち出しており、適切な労働時間管理、柔軟な勤務体制、院内保育所や幼稚園の設置など、働きやすい病院であることが採用力を高める要素の一つになる。

 さらに人事評価制度の構築と適切な運用も重要だ。人材育成では一人一人の研修履歴や取得資格などの情報を一元的に管理して、適切な職場配置やキャリア形成に役立てようとする病院も出てきており、しっかりと運用できれば、他の病院との大きな差別化につながる可能性が高い。医療技術は当然のことながら、経営マネジメントの実践力を強化する医療機関が増えそうだ。

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 高齢化の進展により高まり続ける医療ニーズ、訪問介護などの在宅医療の需要も増加している。こうした中、医師や看護師を中心とした医療スタッフの人手不足は深刻になっている。医療機関の人材採用や経営・人事を支援する専門会社に、最近の採用事情や医療機関の取り組みなどを聞いた。
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