HRテック最前線 高機能・低価格で大幅に生産性向上

HRテックを取り入れる企業は近年拡大傾向にある。その背景には安価でかつ安全なサービスを取り入れることで、人事部門の生産性向上や社員の働きやすさ向上につなげる意図がある。

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 HRテックとは、「ヒューマン・リソース×テクノロジー」のことで、採用、労務管理、組織開発、タレントマネジメント、教育・研修といった人事業務のプロセスをITに置き換えたサービスだ。HRテックを取り入れる企業は近年拡大傾向にある。その背景には安価でかつ安全なサービスを取り入れることで、人事部門の生産性向上や社員の働きやすさ向上につなげる意図がある。

 HRテックの市場は急速に拡大しており、AI、ビッグデータなどの用語とともに頻繁に使用されるようになってきたが、これまでも人事業務システムは存在している。最近のHRテックの特徴は、多くのサービスがクラウドやSNSを活用し、スマートフォンやタブレットなどモバイルを含むマルチデバイスで使用可能で使い勝手が格段に向上しているところだ。これまで大手企業でしか使うことができなかった数千万から数億円掛かっていた人事システムとほぼ同様の機能が、中小零細企業であっても安価な価格で手軽に導入できる画期的なサービスが多い。
 手軽なのは導入方法だけではない。社員情報の登録や各種パラメーターの設定など、これまでは時間がかかっていたプロセス管理が簡単な設定でできてしまうため、必要な情報の抽出やさまざまな情報分析も驚くほど容易になっている。そのため、大手企業でも従来の人事システムとは別に導入する企業もでてきているほどだ。また、これまでのパッケージシステムとの連携も可能なものがあるなど進化を遂げつつある。このようなHRテックの活用によって、人事部門の生産性が大幅に向上することは間違いないだろう。

 生産性向上は人事部門内だけにとどまらない。これまで管理が難しかった社員の働き方を変えることが可能なサービスが出てきている。リアルタイムな残業時間の管理や業務間勤務インターバルの管理、マネジャー間の施策共有、育児休業からの職場復帰など社員の生産性を向上させるための工夫やデータ分析が簡単にできるようになっている。
 HRテックが拡大してきている背景には、情報セキュリティーに対する企業の考え方の変化もある。金融機関ですらクラウドを活用する時代に人事情報を社外に出すのは不安だという企業が減り、クラウドで人事情報を管理することに抵抗がなくなってきているのだ。企業を標的としたハッキングが頻発する中、情報セキュリティーに独自に取り組むよりはクラウドを活用した方が安全かつ安価と判断する企業が多くなっている。一方で、さかんに言われているAI、ビッグデータの活用は、HRテック分野ではまだまだこれからだ。しかし、サービスの拡大とデータの蓄積によって今後活用事例が増えていくことになるだろう。

 現状のHRテックは、人材採用、労務管理、教育・研修、組織診断など分野ごとに開発が進んでいる。既に各社とも提携によって補完し合うなど、統合人事管理システムへの進化が始まっている。HRテックがさらに販売や会計システムなどと連携するようになれば経営や現場により近い価値観が人事部門内に生まれ、これまでの人事業務を大きく変えることになりそうだ。

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